詐欺被害
無数に存在する投資顧問ですが、全て良い投資顧問というわけではなく詐欺目的で活動をしている悪徳投資顧問も多くいます。自分の資産を守るために悪徳投資顧問の見分け方、優良投資顧問の判断材料などを詳しく紹介します。
資産が消失した企業のイメージ

AIJ投資顧問の年金資産消失事件とは

AIJ投資顧問の年金資産消失事件は、2000億円とも言われる巨額の資産が失われたことで、史上空前の詐欺事件として話題になりました。
AIJ投資顧問は1989年に設立された投資顧問会社で、中小企業を主な顧客としていました。
主力となるファンドの累積運用利回りは245%、月次の勝率は90%以上などと宣伝し、破格の利益率で顧客を集めていましたが、一方で格付投資情報センター等からは不自然さが指摘されていました。
年金資産消失事件の発端となったのは、2012年1月の証券取引等監視委員会による検査で、資産のほとんどが既に存在しないことが発覚しました。
2月には監督官庁から、AIJ投資顧問に業務停止命令という行政処分が下されます。
ただし行政処分だけでは済まず、3月には証券取引等監視委員会の強制捜査へと発展しました。
強制捜査と同時に、国会ではAIJ投資顧問の社長をはじめ、数人が参考人として招致されました。
参考人招致で社長は、顧客を騙すつもりはなかったと答弁しました。
しかし問題は大きくなり、4月には国会で証人喚問が行われます。
証人喚問でも社長は、損失は取り返すつもりだったので詐欺にはあたらないと主張します。
粉飾決算で顧客を騙したことは明らかだとして、2012年6月に社長は逮捕され刑事立件されます。
逮捕後は社長も詐欺行為を認め、運用開始当初から損失を出していたこと、発覚を恐れて10年以上も粉飾を続けていたことを告白しました。
2000億円近い運用資産のうち、残っていたのは100億円にも足りなかったと言われています。
この刑事立件により、社長には懲役15年の実刑が求刑されました。
公判では再び詐欺行為を否認しますが、結局求刑どおりの判決が下されました。
会社としてのAIJ投資顧問は2015年に破産手続きが開始されています。
しかし失われた資産は戻ってきません。
消失した資産がどこへ行ったのか、疑問の声はいまだに残っています。

AIJ事件で得た教訓とは?

AIJ投資顧問の年金資産消失事件は、個人の顧客ではなく企業の運用担当者が騙されたところに特徴があります。
いわば運用のプロであるにも関わらず、粉飾を見抜けなかったことが問題です。
しかしAIJ投資顧問が、それほど巧妙な手口を使っていたわけではありません。
事実、一部の投資格付会社はAIJ投資顧問の資産内容に疑問を持ち、警告を発していました。
AIJ投資顧問の投資先は、大部分がデリバティブでした。
先物やオプションのようなデリバティブは、実体がないため安全確実な資産とは言えず、また素人には理解が難しい側面があります。
悪質な投資顧問会社の中には、顧客の無知につけこんで、怪しげな商品を売りつけるところがあります。
AIJ投資顧問の資料でも、投資戦略に関する理に適った説明は見られませんでした。
利回りが異常に高すぎることも、疑いを抱かれて当然だったと言えます。
一般的な運用機関の相場を知っていれば、不自然だと気づくところですが、知識がなければ騙されてしまうかもしれません。
特に不況で低利の状態が続いているときには、目先の利回りに釣られてしまいがちです。
数字だけを見て投資先を選ぶと、失敗する可能性が高いでしょう。
資産運用には必ずリスクがついて回るものですが、投資顧問会社はリスクの説明をしたがらないのが普通です。
うまい話には裏があると考えて、投資家は十分な商品知識を備え、慎重に投資先を選ばなければなりません。
利回りが高いからといって、内容のよくわからない商品に、安易に手を出すことは避けるべきです。
知識が足りないなら、投資顧問会社とは別のコンサルタントから、第三者の立場でアドバイスを受けるのもひとつの方法です。

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